当然ながら、flowはでなくなります。
よくみかけるのが、そのままステント置いてうまくいきました、というような発表がありますが、血腫ができたときは、それをステントで押さえ込むと運が悪ければ、その血腫はステントの手前もしくは奥に進みます。なぜかそれは血腫が閉鎖 腔になっていることが多く、ステントにより圧迫されて、血腫の進行を認めるからです。
血腫ができたときは、閉鎖腔かいなかは、それはIVUSで確認できます。乖離腔の血球成分が鬱滞するために輝度があがることで理解されます。その状態ではそのままステントを置いてはいけません。
その場合は、ステントを置く部分にCBでリエントリーを作成する必要があります。
CBはIVUSで血管径にあったサイズを選び、12気圧を数回かけます。
リエントリーが入れば、乖離閉鎖 腔の輝度が落ちて血流が再開したことがわかります。
あとは安心してステントをいれて良いです。奥から当然ステントをいれます。
またガイドカテーテルなどで大きな乖離をつくったときも、末梢の乖離 腔は閉鎖されているようになっているので、そこにCBをしておくことは安全にステントをおく秘訣になります。
この手技ができずに、ステントをおくと末梢まで血種がいって、no flowで終了することになります。
症例
ステント留置後に一時間後に急性の冠閉塞が起きました。エコーでみるとステントの末梢から#3まで血種による真 腔の圧迫による急性動脈閉塞でした。
血種が#3の末梢までいっているので、造影は一回もせずに、IVUSで状況を確かめて、CB3.0/12ATMでカットしています。画像のように、右のIVUSでは、乖離 腔に血流が再開することにより輝度の低下がみられます。これで、リエントリーが作れなければ、CBのサイズをあげていきます。12気圧は基本です。
あとはステントをいれてうまくいっています。CPKも上昇なしです。
5 件のコメント:
いつも勉強させて頂いております。
一つ質問があります。
CBの至適サイズは、血腫がない時のEEM to EEMの血管径でしょうか? それとも血腫を含む血管径に合わせたほうがいいのでしょうか?
先日まさに同様のケースがあったのてすが、リエントリー形成に難渋しました。
予想以上に大きなCBが必要なこともあります。
僕は最初は、もともとの血管径を目安にします。そしてCBをかける部位の血腫の大きさが大きければ、0.5アップするかもしれません。大切なことは、12気圧をしっかりかけることで、数回施工します。それでもしカットが入らなければ、サイズをアップします。それでもダメなら、バルーンデフレート中にちょっとCBを引きます。(これは本当に最後です。自己責任でお願いします。)
僕はリエントリーには、あまり苦渋したことがありません。
コメントありがとうございました。
よく分かりました。
確かに12気圧まではかけずにやっていました。とても重要なtipsを教えて頂き、こちらこそありがとうございました。
以前、I教授にも同じことを教えてもらったことがあります。
私もCBで12気圧までは怖くてやってませんでした。
あまり経験したくないですが、次回使ってみようと思います。
そうなんですね。12気圧は基本です。
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