札幌ハートセンター

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Dr Fujita's blog. Enjoy it

2013年6月29日土曜日

CABG後の問題。

虚血性心疾患で、ある時点でバイパスによる治療を受けたします。その後は、症状もしくは心電図などで異常がでるまでは、リスクの管理をするしかありませんでした。

当然ながら、動脈硬化性疾患ですから、治療をしていない部分の病気の進行が想定されますので、動脈硬化の進行のチェックが必要な理由です。

いつも、いいますが、そのための冠動脈CTAなのです。毎年とはいいませんが、数年に一回のCTAで動脈硬化の程度および年次の進行度が把握できます。

医療講演後のせいか、今週は、他の病院でバイパス後に管理されていて、心配だといってこられた方が複数名いました。

バイパスが一部つまったり、そしてバイパスされた血管の先に新たに狭窄があったりと、問題だらけです。腎動脈狭窄もいました。

バイパス後の患者さんは、当然カテーテルも難しく、高度の石灰化があり、治療は難しいそうです。でも、いまはロタとレーザーがあるので、鬼に金棒です。

ある時点で治療を提供したあとに、動脈硬化の予防と早期発見を努めていかないといけません。それは、患者さんにそれを求めるのではなく、医療側から発信する必要があると思っています。

前回の医療講演で入れなかった人のために、8月17日に、2回めの医療講演をします。

毎年、2回大きな医療講演で啓蒙活動をしていきたいと思っています。

2013年6月28日金曜日

定期検査。

本日は、年に一回の胃カメラ、腹部エコー、2年に一回の大腸検査およびペットで、入院しています。
心臓も定期的にCTやMRIで冠動脈の評価をしています。

病気は、日々の予防が大切です。それには、食事療法、運動療法、精神的な鍛錬があります。そして、それでは完全に防げませんので、早期発見のために我々の領域では、冠動脈cTや、エコーがあります。残念なことに、胃カメラほど、その意味を認知されていません。今日から受ける胃カメラは年に一回、大腸カメラは2年に一回受けたほうが安全といわれています。

同じように、将来は冠動脈cTや、エコーによる心臓ドックがもっと胃カメラのように気軽にうけてもらえるようにしたいと思います。

今回うける胃腸の検査では、絶食や前処置が必要ですが、我々の心臓ドックは不要ですから、簡単にできます。

2013年6月26日水曜日

加藤先生のCTO

本日は、2例でしたが、CTOは、一例でした。

RCAのCTOで著明な石灰化があり、レトロは厳しい症例です。#2でCTOでRVブランチで閉塞しており、microchannelがありそうな感じです。

最初はマイクロチャンネルにXTR sion black GAIAが通過せずに、RVチャンネルにロタをする予定でしたが、不思議なことに、交換用のロタフロッピーがマイクロチャンネルを偶然に通過して、あとは、ロタして、ステントいれて終了。

こんなこともあるもんなんですね。

2013年6月22日土曜日

5周年記念講演、心臓外科開設一周年、病院記念講演

沢山の方が来られ、500名の定員があっというまに満席になり、入場できないかたがたくさんいました。

早急に2回目を考えないといけません。

記念写真をとりました。

2013年6月21日金曜日

PCI 6万人を治療。


本日は、数年来の願いが叶いました。小倉記念病院 病院長の延吉先生と会食ができました。
目的は、延吉先生の医療に対する考え方などを学ぶためです。
話す内容が、そんなことしたら、医者がどうおもうか?そんなことをしたら、患者さんがどう思う?そのように相手がどう思うかによる意見が多く、相手を慮る気持ちが大切だと再認識しました。
小倉記念病院の1200人の職員のこと、地域のことをとても、大切だと力説をしていました。僕は、延吉先生の直接を指導を受けていませんが、僕の考えていることと似ていて、嬉しく思いました。

患者さんのためにという本当の意味を、PCIが安全にできるこの時代に再認識をする必要があります。それが、症例を伸ばす秘訣だと確信しました。

最後に、部下のために、色紙に言葉を書いてもらいました。

皆様方へ、患者さんのために頑張ってくださいという言葉を頂き、カテーテル室に飾りたいとおもいます。

写真はその色紙をもっての記念写真です。

73歳になり、ますます元気です。また、会える約束して、お別れをしました。

SFAのCTO、他病院で複数回治療も治療できず。

閉塞は長くありませんが、著明な石灰化があり、閉塞部全体を石で塞いでいる感じです。
IVUSガイドで石のなかにワイヤーを通過させましたが、一部通過もその後に、やはり、ワイヤーがはじかれます。ナックルで石の外からいつものように入ろうとしますが、なんと血管外にでてしまいます。レトロも同様の状況です。このような状況は、血管全体に石灰化で石のようになっているので、ここを砕いて通過させなければ、なりません。IVUSで石灰化の中にあることを確認した部分から、35radifocusのストレートでまっすぐに穿通させて、そこから35ナックルに入り、ワイヤーを14に交換して、1.5のバルーンでかろうじて石灰化の中を通過させて、そこから、再度35にかえて、ナックルでレトロのワイヤー近くまで持ち込み、CARTでレトロのワイヤーをアンテ側に通過させています。その後バルーンでダンベルが消えず、冠動脈で前日つかったロタバー1.75でロタ後にバルーンが広がるようになって、ステントいれて、終了です。通常は、石灰化があっても、その脇をナックルであれば、安全に通過できますが、本症例は、血管そのものが、石灰化であり、ナックルで脇を通過できず、石灰化をワイヤーでつきやぶる形で治療をしています。そのためには、IVUSガイドで石灰化にワイヤーがあることを確認しながらやる必要があります。


2013年6月19日水曜日

久しぶりの今、カテーテル終了です。

カテーテルが32件あり、PCIが23件でした。ロタが12件ありました。昨日も、月曜日であり、治療が多かったですが、夜10時には終わっています。

明日とあさってもたくさんの症例があります。

カテーテル室3部屋をフル稼働でこの状態ですので、患者さんにお待たせすることが申し訳なく思います。

また、遅くまで付き合ってくれる職員に感謝です。

2013年6月14日金曜日

本日のライブの感想

ワイヤーの操作のスピードが延吉先生並に早いです。これは、症例を沢山やっている人にある傾向で、トルカーを使いません。
ですから、分岐部、LMTの治療は上手ですね。ロタまでは、上手だと思ってみていました。一例目の症例のLMTが血栓打ち込んでIABPが必要になり大変になっていましたが。。。
それ以上に、とてつもなく、びっくりしたのが、CTOの治療についての、技術が日本より10年以上遅れています。

CTOは、あまり期待しないほうがという、落合先生からの指摘があったのですが、予想以上で、びっくりです。
RCAの#1の短いCTOです。アンテからbiderectionalに行けば、GAIA、パラレルで通過しそうな病変です。
ワイヤーをトルカーを使わずにレトロチャンネルを通過させて、その後にアンテのワイヤーもレトロのワイヤーもトルカーなしのブンブン回しでやっています。レトロのワイヤーは、#1の曲がりで外にいって、ワイヤーがガイドに抜けません。そして、アンテのワイヤーもブンブン回して、いろんな方向にいかせていました。せっかく、reverse CARTのいいポジションにいったのに、アンテのワイヤーがfalse で奥に進んだのが、いいと思ったのか?バルーンを3番までもっていって、そこでアンテからワイヤーを#4で通過させようとして、そのうちにレトロのコルセアも、せっかく#1の末梢までtrueで進んでいたのに、#3まで引きもどしています。その後は、レトロのワイヤーがアンテから作った解離に#3からはいって、externalizationできたのですが、ステントいれたあとは、#4AVは、潰れ、#4PDも解離でかろうじて、出る感じです。ひどい状態です。
reverse CARTを知らないのでしょうか?あと、ワイヤーもちゃんとshapeできていません。あと、レトロのLADのガイドが入りすぎて、圧力がダンピングして、患者さんが不穏になっていましたが、それもどうしてなっているかわからない感じでした。
CTOは、アメリカで一番PCIをやっている病院の先生でも、こうなんだと思いました。
10年まえにレトロがでたときに、近い印象です。
CTOは、日本しかないですね。

CTOは、完璧に上手くいった症例は3例とも、なかったと思います。

2013年6月13日木曜日

CCC2013

に参加しています。これは、アメリカで、NYで年間PCIを5,000件もこなしている、実力ナンバーワン病院のmount sinai HPでのライブです。
本日は、末梢血管の話とライブでした。CTOのデバイスがありましたが、クロスボスみたいなデバイスをいれて、それが通過しなければ、ワイヤーで方向を変えてやっていました。また、Loop techniqueと称して、CLIのペダルアーチのバルーンをしていました。
トランスコラテラルや、trans tibiなどもしていました。CLIも、ワンストレートラインから、ペダルアーチのインタベを追求していました。CASに関しては、CASをしても、内科療法でも変わりないので、有症状の強い狭窄以外は、適応がないという形でした。
明日は、PCIです。楽しみです。やはり、実力のある病院です。

2013年6月10日月曜日

院外での、AEDをつかった救命での表彰。

当院のME吉田くんが、通勤中の心肺停止をAEDで救命したことにより、消防署から表彰されました。
素晴らしいことです。今年入ったばかりですが、しっかり世の中のために役にたっています。
病院の白衣を着て表彰です。

2013年6月9日日曜日

患者さんの気持ち

岩手県の県議会議員の方が、紹介状をもって病院にいったときのことが話題になっています。

待ち時間が長い、番号で呼んだ、お金を払うのに、呼びつけるのがおかしい。これだけのお金を払っているのだから、座っているところにくるべきだ。待ち時間がながく、頭にきたので、お金を払わず、帰って、それでも腹の虫が収まらず、病院の事務長に電話をして呼び出しなどなどをブログに書いて、こんなひどいことをされましたと書いたら、逆に県議会議員さんの方が悪いとブログが炎上したみたいです。

この県議会議員の方の目線が初めて病院にかかられる方が感じる気持ちなんでしょうね。病院に慣れていたら、待たされるのも、名前を番号で呼ぶのも、お金も自分で払いにいくのも当然ですが、それがわからないのですね。

県議会議員さんには、申し訳ありませんが、大変勉強になりました。

2013年6月8日土曜日

6月22日に記念講演開催

開業して、5年。外科開設から1年。5月から病院へ。すべてが、記念のこの年に、札幌の人たちに、札幌ハートセンターを理解してもらうために、講演会をします。

脳動脈瘤などで、有名な上山塾の谷川先生に、特別講演をしてもらいます。

ポスターは、なかなか良い感じにしあがっています。

予約不要。入場制限なしです。是非参加してください。

でも、道井先生、鵜野先生、そして僕と一緒に働くなんて、とてつもなく、奇跡的なことだと、再認識しています。最強のハートセンターにしていきます。

2013年6月7日金曜日

PCIをいかに短時間で終われせるか?

時間を節約するためには、患者さんの出し入れの効率、治療中に関しては、次の手の準備をいまやっている手技の間に準備することです。

具体的には、ガイドカテーテルで造影するときには、すでに右手にGWがあり、GWを操作しているときには、IVUSなどがすでに用意していることです。また、IVUSが終わるあたりで、次のバルーン、ステントなどをすべて決めておくことです。

自信がなければ、カテーテル台の近くにもってきて、いつだもだせる準備をしておくことです。

よくある時間のかかるパターンは、造影をしました。それから、考えて、GWの指示をだし、それから誰かが、GWをもってくる。同様にGWをいれてから、考えて、IVUSを出させて、準備をする。
IVUSが終わった時点で、また考えて、バルーンの指示をだし、バルーンをとりにいかせて、ださせる。
バルーンが終わった時点、また、考えて、同様にステントを誰かにとりにいかせて、ださせる。PCIの治療の手技は、一回づつ、止まってしまいます。
これが、一番時間がかかるパターンです。無駄な時間を無くそうと考えないとこうなってしまいます。

同様にコンプレックスなPCIをするときには、うまくいかないときに、それが物のせいなのか?自分の腕のせいなのか?をすぐに判断して、デバイスを交換をどんどんしていきます。そのためには、どうして上手くいかないのか?それが瞬時に判断できなければ、延々と同じことを繰り返して、闇雲に時間がかかります。
自分の引き出しをすべてだすのですが、それを出すまでの時間を短縮します。そして、そお引き出しが上手くいかなかったときの理由を瞬時に判断します。将棋のように、何手先まで、読むような感じで、治療中に思考していきます。
そうすると、流れるような手技になり、上手くいきます。

そして、困難なPCIも、短時間でいま中止するか?いなかの判断ができるようになります。

このような点を意識することも、PCIにおいて、短時間で、安全にPCIを行なうキモになります。

延吉先生が本で書いているように、カテーテル室に長く居たいと思う患者がいると思うか?という発想で、とにかくスピディーに、安全に、シンプルな手技を心がけることが、コンプレックスなPCIをするときにも、役にとてもたちます。

2013年6月1日土曜日

豊橋ライブ

事務局がテクロスさんで、橋本氏が、やっています。

いつも思いますが、この豊橋ライブは、お披露目ライブと違って、ちゃんと経験のある先生がコメンテーター、座長になっており、自分の経験を語ってくれます。そして、若手のためになる会です。

世の中にライブと、称するものが沢山あります。地域の先生で、なかなか外にでれない先生のために、地域ごとのライブは意味があると思います。
教育的なライブでなければいけないのだと思います。

その意味で豊橋ライブは、本来の目的の沿った運営をされており、今後も発展していくと思います。

physiolgcal guided PCI

本日は、豊橋ライブに朝から参加してきました。

朝一のライブはFFRでのPCIです。

FFRでdeferはいいとしても、不安定狭心症でのFFRは確立していません。そして、FFRは、虚血は0.75、OMTよりPCIをしたほうがいい目安が0.80です。

労作時胸痛があり、冠動脈造影で75%あり、FFR0.82では、FFRメインの考えではdeferしても、イベントにはOMTと差はありません。

でも、患者さんは胸痛が残ります。僕なら当然、治療です。FFRも測定しません。

PCIは、予後を改善できるという証明はまだ、少なく唯一証明されているものは、虚血による胸痛をとることです。

患者さんの症状をとるための治療が、PCIであるということを忘れてはいけません。

無症候性や、多枝疾患などで、culpritが不明のときにこそ、余計なPCIをしないためにFFR
を活用すべきです。

狭心症へのFFRをするときは、予後に差がないということと、症状をとることは別であると考えべきです。

また、ある症例では、RCAに2箇所狭窄あり、FFR0.6まで低下しましたが、手前の狭窄がきついということで、ここだけ、ステントで治療して、残りの狭窄は治療後にFFR0.83になったから、ここはdeferとしていました。
GWもIVUSもそこの病変は通過しています。そしてなにより治療した手前の動脈硬化と連続しています。

進行するに決まっています。同時に治療すべきですよね。

FFRは、患者さんの過去からの経過や、症状など複合的な判断で、患者さんのために使うべきであって、病変だけFFR測定して、治療方針を決めるのは、やはり本末転倒だと、感じました。患者さんがかわいそうです。