当院では、心房細動に対するアブレーション治療をしています。
ただ、この治療は、本来の脈に心臓を戻すことにより、症状をとり、心機能の改善及び温存をはかります。また、心房細動による血栓症のリスクを取ることも可能です。
では、心房細動は、アブレーションが必要でしょうか?
個人的な見解です。
これは、人によります。症状がない人は、適応になりません。抗凝固がしっかりできる方も適応になりません。心機能も悪くない方も適応になりません。
心房細動はアブレーション治療ができる以前は、病気というより、老化の自然経過として診ていて、特に高齢のかたは、内服治療で、問題なく経過をみれていました。
特に高齢の方は、アブレーションで心房細動が根治しても、その後数年にまた心房細動が出現することがあります。それが実は、問題で、その心房細動が再発した時に、運が悪いと血栓症を起こして、脳梗塞になることがあります。
アブレーションで、若年の方は、劇的に症状が取れて、恩恵がある方が多数いる一方、症状が強くない方、高齢で再発の可能性が高い方は、デメリットの方があることがあります。
当院では、そのような観点から、アブレーションの適応を決めています。
僕の母は、80歳から、心房細動ですが、抗凝固とベーターで、みています。
僕も、現役の仕事をしなくなってから、心房細動になったら、まず、内服で症状が取れれば、よほど、辛くない限りは、アブレーション受けません。
Tsutomu Fujita M.D. Founder of SCVC, Chief of cardiology in Bali international hospital. Please contact me Email rotamanlaser@gmail.com, WhatsApp +818032356345
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2017年8月18日金曜日
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7 件のコメント:
不整脈は慣れるので、自覚症状が無くなりそのため、受診が遅れ、薬物治療も含めて脳梗塞を起こしやすくする。
人によっては、治療が遅れたため、ハートセンターで、心房細動の検査中に脳梗塞を起こしかけて、助かった人もいる。
また、心房細動は薬が効いている時は良いが、いずれ効かなくなることが多く、完全に治らなくとも、アブレーションはした方が良い。
心房細動患者は、通常の患者の心臓の数倍心臓が大きくなり、バルーン式のカテーテルでは施術が難しく、手業が勝負。特に氷結アブレーションは、かき氷を食べた後のようになる。
三浦雄一郎さんは5〜6回カテーテルアブレーションを受けて、人間の限界を超える場所でも、不整脈が出なくなった。
という認識でした。講演会を見ての記憶ですので、正確ではない部分があります。お許しください。
一番意外っだったのが、アブレーションを受けることが、色々な意味で不可能な患者さん以外は、遅かれ早かれアブレーションを受けるものと思っていました。
父が大動脈弁狭窄症と診断されました。町立病院の医師が道井先生宛てに紹介状を書いて下さり、近々受診することになっております。
父はひどく病院が嫌いで、元々高血圧ではあるのですが、病院で血圧測定すると180~200という数値を叩き出すほどです。ただ現在の体調不良がよほど堪えるらしく、今回は覚悟を決めたようです。
そんな病院嫌いの父の希望としては、入院期間が短くて済むTAVIでの治療なのですが、年齢が75歳と80歳以上の条件には当てはまりません。ただ、体調不良で食欲不振となり、かなりのやせ形で体力も落ちているような状況です。
検査結果次第だと思うのですが、本人の強い希望により、TAVIでの治療を優先的に検討していただくことは可能でしょうか?過去軽度の脳梗塞を患いましたが、後遺症もなく現在は1年に1度程度の通院をしており、他には糖尿病の為服薬しておりますが、HbA1Cは6.4と落ち着いております。長々と申し訳ありませんが、父がかなり気にしているので、通院前にご回答いただけると幸甚です。
追加です。ハートセンターのアブレーションの方式は土浦に近いと思いますが、仏ボルドーから帰ってきた、高橋先生のいる横須賀方式とどのように異なっているのですか?
別名肺静脈細動というので、結構似ているのでしょうか。
上手いレーサーの運転の仕方は個性はありますが、ドライビングテクニックは似ているのと同じ理屈ですか?
大動脈弁狭窄症について、75歳の方は、基本的には、体力があれば、外科治療の方が、安全です。しかし、体力的な問題があれば、ケースによっては、TAVIも考慮されます。道井先生に紹介されたのであれば、道井先生とよく相談して、希望をいってみてください。
結論からいくと、希望は優先されますが、現状でのTAVIの危険性、外科治療の危険性の評価をしっかりして、それを提示、加味したうえで、一緒に相談しましょう。
不整脈について、
医療講演をよく聞いてくださってありがとうございます。まだ、アブレーションは治療の過渡期にあります。治療により色々なことがわかってきています。
心房細動を治せば、それに越したことはありません。しかし、再発をするときに、脳梗塞を起こしたら、アブレーションをして、脈が戻って、抗凝固を止めたことが、あだとなります。
そして、心房細動であっても、脈が早くなく、心機能が良いかたは、悪くなることは少ないと思い舞うs。
心臓も大きくなく、症状もひどくない人で、高齢の方は、無理をしてアブレーションをしても、その恩恵は少ないと思っています。
一概に年齢で区切りことは、難しいですが、仕事をしなければ、いけない若い方は、ぜひ治す必要があると思います。
ですから、僕の母にはアブレーションは受けさせません。
ワーファリン等を代表する、抗凝固剤について教えてください。
ハートセミナーで、抗凝固剤には現在5種類あり、ワーファリンでなければ、納豆は食べれるとの話を記憶しています。
少々難しい話だったので、覚えきれなかったのですが、なぜそれなら未だにワーファリンが使われるのかがわかりません。
簡単にそれぞれの薬品の長所短所をお教え下さい。
コメントありがとうございます。ワーファリンの最大メリットは、値段が安いことですね。新しい内服薬は、ビタミンKなどが関与しないので、食事の影響を受けにくいです。その代わりに、ワーファリンのように、どの程度薬が聞いているかの目安がないので、欠点ですね。
食事をしっかり守れて、やれるのであれば、値段も安い、ワーファリンも捨てがたいです。
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