朝一番のセッションで、PCIとCABGの競争と協調というテーマで道井先生と発表してきました。
選ばれた施設は、歴史のある小倉記念病院、六本木心研と、開設5年の施設の当院の三施設から、内科と外科が発表をしました。
当院の毎朝やっているハートチームカンファランスが他の病院では、週に一回しかしておらず、治療方針は、やはり内科が外科適応を決めるという古いやり方になっています。外科のup to dateも知らないで、適応を決めるというのも????とおもいます。外科も、内科のup to dateを知ってもらって、お互いのいいところを患者さんに一生もつような治療を提供できるようにすることが大切だと再認識しました。
当院は、主治医の意向と関係なく、ガイドラインにそって手術適応はカンファレンスにかかり、治療方針をハートチームとして決定をしていきます。そうすることにより、どの先生に患者さんが当たることにより、治療方針が全然違うという、よく一般の病院にある院内開業状態をなくすことができます。
当院は新しい施設であったこと。僕と道井先生の力関係が五分であり、かつ、お互いに信頼していることが、この仕組を作り上げれたと思います。
また、内科の先生がたの言う長期予後がやはり、5年で考えることにはとても、違和感を感じました。やはり、10年先以上を考えないといけないと思います。
患者さんの生命予後を考えたときに、虚血性心疾患をちゃんと治療ができていれば、カテーテルでも、バイパスでも、再発をしなければ、一生心臓は持つはずです。では、なぜ予後に差がでるかというと、間違いなく、治療をした部分以外の新規病変の進行もしくは、ACSが、命を奪うと思います。そしてバイパスはそこの部分に保険が効くわけです。それで、10年先の予後に差がでるのだと思っています。
PCIは局所治療であり、治療した病変以外の部分には当然効果はありません。バイパスは、心筋全体に血液を流す、それも、末梢から流すので、ACS好発部分より末梢に繋がっているので、ACS時のイベントが少なくなります。
PCI後はそのような理由で、新規病変の管理が重要になってきます。外来をやっていて、感じることは、他の病院でPCI後に5年過ぎてから、胸痛がでて、みてみると、TVDになっていることはよく見かけます。ひどいと、内服もしていない。リスクの管理もされていない。PCI後に新規病変への管理が患者さんを死なせないための方法なので、リスクの厳密な管理、そしてCTによるプラークの管理が間違いなく、バイパスなみの予後を改善できると思っています。PCI後の患者さんは、結局カテーテルしかできない一般の病院では、結局虚血の症状がでるまで新規病変の進行に気が付きません。
僕は、死亡率がPCIよりCABGの良いから、CABGを勧める理由ではありません。僕の目標は、心臓死をなくすことです。そのために、PCIおよびCABGを駆使し、一回病気をリセットしてその後に予防をしっかりして、早期発見のためにCTを積極的に利用しています。そして心臓リハビリテーションにも力をいれています。心臓死が5年後に3%でも、亡くなった患者さんにとっては100%です。そしてその患者さんは、新規病変ができなければ、亡くなっていないはずですと考えれば、僕は満足しません。とにかく、絶対心臓では死なせないために、僕は活動をしています。
CTは、その新規病変などの変化を早期にみつけれます。その意味では僕にとっては画期的な機械なのです。問題視される被曝量を減らすために、idose4を入れたり、256を入れたりして、対応しています。
PCIをする先生は、PCIを上手くいかせることとともに、長期予後を改善しようと思ったら、新規病変の管理が重要だと認識をしないといけません。そして、いままでのCTを使わないやり方では、新規病変の管理は絶対できません。症状が出るまで待ったら、手遅れの人が必ずでます。
Tsutomu Fujita M.D. Founder of SCVC, Chief of cardiology in Bali international hospital. Please contact me Email rotamanlaser@gmail.com, WhatsApp +818032356345
藤田先生への質問、お願いなどなんでも、
2013年3月15日金曜日
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6 件のコメント:
質問させてください。先生の施設ではPCI後の確認は造影ですか?CTですか?それともケースバイケースでしょうか。また確認で問題なければその後のCTはいつ撮るのでしょうか?risk factorが多ければ1年に1回とか、1枝なら5年ごととか。
当院では、PCI後の確認は、すべてCTでやります。再発期間は、一年以内と考えていますので、カテーテルであれば、9ヶ月目で問題なければ、良しとするはずですが、当院では、PCI後の半年目、一年目のCTをもって、再発なしと判定します。その後は、年に一回のCTをとります。PCIを受けた方というのは、基本的に動脈硬化体質ですから、リスクの管理しても、新規病変の進行はあるので、原則年に一回のCTとしています。
はじめまして。先生のブログは、なかなか勉強になりありがたく読ませていただいております。
いくつか教えていただければ幸いです。
PCI後のフォローに際して、定期的な負荷試験と、定期的なCTフォローのいずれが望ましいものでしょうか?
またCTで再狭窄・あるいは新病変が指摘された場合、造影してFFR→PCIをされているのでしょうか?CTで再狭窄・新病変を指摘されてもFFRでdeferされるケースはどの程度ありうるのでしょうか?CTで不安定病変の可能性が否定できないケースもありうると思うのですが、PCIを検討される判断基準があれば教えていただければ幸いです。
私が現在勤務している病院には、冠動脈CTがなく、先生のご見解は勉強になります。よろしくお願いします。
PCI後のフォローであれば、負荷でかなりはっきり虚血がでるときは、PCIの適応になるほどの病変ですから、CTでのフォローが望ましいと思っています。
CTで再狭窄、新規病変がPCIの適応になりそうなときは、造影をします。それは75%以上の狭窄がありそうなときです。症状があれば、治療になりますが、なければ、FFRをして決定します。FFRでdeferされるケースは30%弱だと思います。CTのクオリティーは当院は高いです。冠動脈の狭窄度とACSは別ものです。ACSなどの不安定病変は臨床症状で決定をしていきます。CTで50%の狭窄があれば、スパスムか?血栓化など怪しいときは、CAGをします。
CTさえしていれば、動脈硬化の進行はわかります。そうすれば、より強いリスクの管理などを患者さんにCT画像をみせれば、より理解してもらえます。
よくある、PCI後に一年以降には、ほどんどなにもしないで、症状がでたときは、三枝病変か?ACSになっているのをCTをやっておけば、早期に介入できたはずです。
参考になりましたか?CTのクオリティが高くないと現実には、CTとってもよくわかならいという状況になることが多いです。
認知症の患者へのPCI、CABGの適応はどうお考えでしょうか?
認知症であれば、そうとうに年齢がいっているような気がします。外科医は手術をしないことが多いです。我々もイベントが起きたときには、PCIを考慮します。
それ以外は、症状がなければ、そのままみてあげています。
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