冠動脈造影が、自分の目の黒いうちには、なくならないと思っているという発言をした、以前大変お世話になった先生がいます。
技術の進歩が、過去技術をあっという間に、古いものにすることはよくあることです。
冠動脈CTAは、まちがいなく、冠動脈造影にとって代わるものと確信しています。そして、かわるだけの努力をするように、我々が努力しています。
それが、患者さんのために、なると思っています。
カテーテルは怖いものと、お尻を叩かれながら、一生けん命トレーニングを積んで、そのカテーテルの適応も、以前は厳しいものがありました。
カテーテルがかなり安全におこなえるようになって、逆にそのカテーテルの適応が広がったいるような気がします。それが、患者さんのためになると思っていた時期もありました。
でも、やはり適応を拡大したとしても、危険性があることは事実でした。
それを解決するために、いまの64列のCTは、僕にとっては救いの神です。
新たにカテーテルを始めた先生方にとっては、安全がかなり確率されたカテーテルしかしらないので、カテーテルが危険とは思っていないと思います。
20年間のカテーテルの検査、治療の中で、覚えていることは、脳梗塞を起こした人や、カテーテルの合併症を起こした人ばかりです。頻度は0.1%以下ですが、なにせ年間3000件もやっていれば、そのような合併症に遭遇します。 そのような辛い思いを患者さんにも、自分にもならないようにいつも思っていました。
そのような想いが、カテーテルをいかに安全にするかに知恵をしぼってきて、いまは、いかにカテーテル検査自体をしないようにして、冠動脈の狭窄を発見するかのために、CTAに力をいれているのだと思います。
医療費のことを考えても、CTであれば、2-3万の医療費ですみます。
カテーテルであれば、入院を短期であっても、10万以上はかかります。
早期発見でき、医療費を抑えて、危険性も極めてすくない。
カテーテルの代りには、いいと思います。
ただ、放射線に被曝などの問題もあるので、気軽に受けるべき検査ではなく、あくまでも、カテーテルの代わりとしてということを強調しておきます。
ひさしぶりの昼間の投稿だね。