札幌ハートセンター

札幌ハートセンター
Dr Fujita's blog. Enjoy it

2012年4月28日土曜日

本日も8件カテーテル検査、治療およびアブレーション。

昨日は、金曜日でしたが、韓国から帰り、外来とカテーテルをしています。本日も、カテーテル予約がいっぱいです。世の中はGWに突入ですね。当院でも、先生がたには、交互に休みをとってもらっています。5月1、2は、通常業務ですが、カテーテルが回らずに、3日の祭日にカテーテルをすることになっています。

このようなことができるのも、自分の病院ならではです。

感謝、感謝。

2012年4月25日水曜日

FFRガイドPCI

当院では、症状がないもしくは、微妙な方には、FFRによる虚血の診断をしています。ATPの持続静注で、0.8以上では、deferといって、経過をみることになります。今回FFRのDr Nicoが発表をしていたなかに、感動をしたものがありまりした。

我々の治療であるPCIの大きな目的は虚血の解除による症状をとることによるQOLの上昇がメインとなっています。そして心筋梗塞の発症を予防できるかどうかというデーターは漠然とでしかありませんでしたが、今回の発表のなかで、冠動脈の狭窄があった場合に、虚血がある狭窄の心筋梗塞に進行する確率が2-5%くらいで、虚血がない狭窄については、1%以下で、Stentが植え込まれた狭窄は2-3%とされていました。
FFRで異常がある病変を治療することは、MIの予防になるわけです。逆にFFRで異常がない病変に対してのStent治療は、MIの発生率をあげる可能性があるということになります。

我々の治療の目的の一つが症状をとること、予後を改善すること。その予後のなかでも、心筋梗塞の発症を予防するということが大切だと思っています。そのために、かなり強化した内服管理、生活管理が必要です。そしてPCIを加えるにあたってFFRガイドでなければ、予後の改善は得られないということです。

バイパスも同じことがいえると思います。
それに連動してsyntaxについても、FFRでの評価をすることにより、syntax scoreが減少する可能性があるといってました。StentもEESの時代ですから、EESとFFRによる再評価が必要なんでしょうね。

TCTAPのDr Parkは、FFRガイドPCIにして、なんとStentの使用本数が42%減少したといっていました。

FFRはとても、重要ですが、日本ではIVUSと同時請求ができないのが、本当に困ります。FFRで虚血の診断による治療部位の同定、IVUSでは、指摘Stent植え込みによるSAT予防や、再狭窄減少と目的は全くちがうので、両方を使えるようにしてもらえるととても助かります。

TCTAP2012

韓国のカテーテル治療の大きなアジアでの会に参加を、金子、杉江と火曜日の夕方から参加しています。この会は6年以上まえから参加していますが、韓国がどんどん都会になっていき、この会もasia pacificというとおり、アジアでのカテーテル治療での大きな会として認知されている感じがします。本日学会に参加しましたが、本場のTCT(アメリカ)と遜色のない会という感じです。英語も、通常のスピードで会話されています。
これから、やはり英語ができないと国際社会に乗り遅れるという感じがします。次世代の先生は必須と思ったほうがいいですね。

2012年4月22日日曜日

残業。

残業の管理は難しいです。僕の希望は人をたくさんいれて、残業をなくす。残業が生活給料にしないようにする。そのためには、時間内に仕事を終わらせて、しっかり帰るのも、仕事の一つだということを理解しないといけません。そして、残業を発生している原因をしっかり追求しないといけません。そしてそれをなくすように努力する必要があります。

いまの内にてこ入れをしなければ。

2012年4月20日金曜日

ボトルネック

仕事をする上で、律速段階になっているところをボトルネックといいます。
CTを撮像して僕の外来でみるとすると、検査をしますよといってから、CTの結果がでて僕の外来に戻ってくるまでの間にいろんな作業が入ります。患者さんの呼び出し、患者さんへの説明、他の検査との折り合い、点滴ルートどり、CT撮像、解析、患者さんの呼び出しなど、このような作業過程が入ります。
CTをとにかく早くとって、早く結果をだすためには、各々のその作業自体の効率をたかめることも必要ですが、さらに重要なのは、どの過程がボトルネックになっているかを探すことが重要です。そしてみつけたボトルネックを改善できれば、こんどはまた別な作業の部分がボトルネックになります。そのようにボトルネック探しと改善を繰り返すことが、最終的に効率がよくなってきます。

当院では、64列CT一台で一日30件のCTをとっていました。いまは、256列CTとの2台体制になり、CTのとれるキャパシティーはとてもあがったと思っています。

でも、予期せぬボトルネックが出現し、その改善をいま繰り返して、いまの2台体制での一番効率のいいところを探している最中です。

そして、そのようなボトルネック探しをしないと、結局64列時代と待ち時間も、処理件数もかわらないということになってしまいかねません。

開業時は、2人の放射線技師で、一日20人のCTが撮れていました。256列いれて、技師もいまは、10人です。技師の数からは、一日100人、CTは2台ですので、一台あたり30人は可能ですから、一日60人のCTは十分可能と判断しています。

現実には、そこまでいくためには、ボトルネック探しと、改善で、一日60人がこなせる施設にしていきたいと思っています。

一日冠動脈CTA40件以上の現時点でも、日本でもトップクラス以上の件数だということはわかっていますが、僕が256列と64列を2台体制にした大きな理由の一つに、患者さんの待ち時間を少なくする目的があります。目標設定は高くがんばってもらいます。

2012年4月16日月曜日

本日よりCTが2台体制

本日は、2台で44件の冠動脈CTAができました。8時前にはおわっていますので、大変効率がよくなりました。冠動脈CTAの一日記録更新です。

外来も多く予約外50人きています。合計145人でした。

OPCABも本日2例
心房細動のアブレーション一例
PCIは、14例、カテーテルは合計18件でした。
とても、効率よく仕事をしてもらっています。感謝です。

2012年4月14日土曜日

D言葉

とは、日本語でDからはじまる言葉で、そのうしろに、否定的な、できない理由、言い訳が続きやすい言葉です。

具体的には、できない。だって、どうせ、でも、だったら、だけどなどの言葉です。これを故意的に使わないようにしないといけません。僕は個人的には、意識したことがありませんが、やはりこのような言葉を使うことはすくないと思います。

この言葉を使ってはいけない理由は、
1)そのような言葉を発することで負のスパイラルに陥り、その人の運気がさがります。
2)そのような言葉を発しても、事実物事はなにもすすみません。
3)できない理由をあげることが簡単ですが、できるようにする努力のほうがものすごく大変なのです。でも、大変でも必ずできるのです。

前向きに生きるためには、それなりの努力が必要です。まず、この言葉を使わないようにするといいでしょう。

救急依頼も、すべて受けるのも、このせいかもしれません。
札幌ハートセンターでは、この言葉を発すると僕が注意をしています。しつこいほどです。

2012年4月13日金曜日

意思の疎通

札幌ハートセンターとして、僕と、道井院長が経営責任を負っています。そして、二人の考えを浸透させるために、朝の8時からの幹部会議、8時半からの全体朝礼をしています。そこで、院長と僕からの一言があります。医療に関すること、病院のこと、将来のこと、我々が気づいた問題点など様々です。

自分が一人でやっているときは、あまり問題にならないのですが、たくさんの職員をまとめ、そしてそれを組織としての体を整えるための、一つとして朝礼があります。単なる連絡事項であれば紙で十分です。人と人が顔を合わせて、話を聞いてもらうことが重要なのです。札幌ハートセンターとして考えを皆に共有させるためです。

最近もありましたが、仕事が忙しいから朝礼を飛ばすという職員がいました。時間がないともいっています。僕から言わせると、時間がないのではなく、時間を作る気がないのです。そのような発想を持たせるためにも、朝礼に参加しないといけません。朝礼がどれだけ重要か、全員参加を義務付けしています。

これも、すべて札幌ハートセンターを並の施設にしないため、誰にも真似ができないような組織にするためなのです。

2012年4月11日水曜日

外来が多いですね。

月曜日は、予約外で50人で、150人の患者さんがきて、本日は、午前診のみにも関わらず、30人くらいの予約外で110人の外来患者さんです。

多大な待ち時間をつくって本当に申し訳ないと思います。

2012年4月7日土曜日

南渕先生のMIDCAB

今日は、南渕先生のMIDCABです。2例の予定です。

MIDCABとは、胸骨切開をおこなわずに、左の胸部に小切開からの冠動脈バイパスです。術後も一週間で退院でき、患者さんには、低侵襲です。
この治療法がでたときには、外科症例が増えるとおもいましたが、結局は人工心肺を使わないというところに主眼がうつって、MIDCABは、日本では伸びませんでした。

この治療の日本での権威の南渕先生にきてもらって、適応のある患者さんは治療を受けてもらっています。
これにより、この技術を札幌ハートセンターに根付かせたいと思っています。


当院には、道井、南渕というスーパー外科医がおり、それの技術を習得する次世代がおり、大変楽しみにしています。

カテーテルの怖さ

当院は、カテーテル検査と治療をあわせて年間3000件の件数をしています。カテーテル検査治療による当然、死亡はゼロですが、やはりカテーテル操作による脳梗塞は2例ほど、この4年間で経験しています。確率からいくと、5000人に一人の確率ですが、それでもそれになった患者さんにとっては、大きな問題です。脳梗塞といっても、ふたりとも、脳幹梗塞といって、頭にいく血管の後ろの椎骨動脈という細い血管の領域の脳梗塞ですので、症状は、めまいと複視(物が2つにみえる)です。最近、一人カテーテル治療後になった患者さんがいました。MRIのdiffusionで脳幹梗塞が診断がついたので、OHPをするために、連携している脳外科病院で高圧酸素療法をしてもらって、管理をしてもらいました。先程、患者さん本人から電話がきて、症状がよくなりました。退院して、月曜日に行きますという電話がありました。
対応が早く、OHPをしたことがよかったと思います。元気になってなによりです。

このようにカテーテル検査治療では一番の問題は脳梗塞です。それ以外の合併症は、あまり問題になりませんが、この脳梗塞はどんなに気をつけても0.1%以下の確率とはいえ、防ぎようがありません。

カテーテルに慣れた病院で検査を受けなければもっと高率かも、しれません。

このようなときに、やはり不要なカテーテル検査、治療は避けたいと思います。256列CTおよび心臓MRIをいれた理由はここにあります。これで、無駄なカテーテル検査治療を少なくできれば、いいと思います。

たかが、カテーテル検査で脳梗塞になったら悲惨です。CTでは脳梗塞にはならないですからね。

256列CT

北海道道内発らしいですが、冠動脈造影のかわりに使うのであれば、いままでの64列よりよくなったと思います。ただ、機械の性能より、技師の努力の方がまだ、ウェートを占める部門だと思っています。いまは、以前の64列は移設中で、被曝低減のidoseをつけて再生して、2台体制でCTをとっていけます。

最近、某循環器病院からわざわざ千葉256列をとりに行こうとした患者さんが来られました。その患者さんをみる限りは若く、64列でも十分な評価ができそうな感じでしたが、本人の希望で256列で撮影しました。多列CTを冠動脈造影の代わりに使いこなせていない循環器専門病院にかかった患者さんは、かわいそうですね。
僕が患者さんなら、検査のためだけの、カテーテルなんか絶対受けたくないですから、患者さんにもメリットが無い限りは薦めません。

2012年4月4日水曜日

手術2台稼働

手術室が弁置換と、動脈瘤の手術が2室で行われ、手術室内の第三カテーテル室ではペースメーカー植え込みと、EPSが行われ、同時に第一第二カテーテル室では通常のカテーテル業務が全室同時進行です。

とりあえず、形になりました。あとは、効率を追求していきます。

2012年4月3日火曜日

リズムセンター稼働

当院は内科による血管内カテーテル治療、外科による外科治療は、北海道もしくは全国でも珍しい実力が均等したチームだと思います。そしてその中に不整脈関連のセンターを立ち上げることにしました。
僕の理想は、血管内カテーテル治療、外科治療、不整脈治療の3本がしっかりとつよくなって本当のハートセンターになると思っています。

今回常勤で桜井先生が不整脈医として赴任しました。大学は僕の後輩になり、鵜野先生の後輩にもなります。そしてテクニシャンとして本間くんが入職しています。この二人と鵜野先生でリズムセンターをつくってもらい、不整脈関連の業務を一括管理してもらいます。
具体的には、ホルター関連、デバイス植え込み、管理業務、アブレーション業務になります。不整脈のアブレーション適応については、見逃しの内容にホルターをすべてリズムセンターで管理して適応の人がいればピックアップしてもらうようにしています。札幌ハートセンターとしての治療方針として管理していきます。

いままで鵜野先生一人であり、非常勤でしたので、今後は常勤していますので、日々対応が可能になります。

4月になり新入職が21人でした。看護師が多くのですが、ICU、手術室に多く配置をしています。新しい人の教育をしっかりしていかないといけないと思います。