札幌ハートセンター

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Dr Fujita's blog. Enjoy it

2012年9月15日土曜日

エクソシール

コーディス社から新たな止血デバイスが発売されました。

このデバイスは、血管内に異物が入らずに一ヶ月で生体に吸収されます。エクソシールの印象としては、手の止血の補助デバイスという感じです。当院では5分間の手での止血で止血確認後に、テープ固定のみで3時間安静としています。

いままでに、アンジオシールや、クローザーなどの止血デバイスがありましたが、この2つに関しては、単独での止血デバイスであり、異物が血管内に入るための問題などがありました。

一つが感染です。とくにクローザーでの糸への感染は大きな合併症を起こします。ひどいと、血管にも感染をして、外科的な切除が必要になることもあります。
もう一つが後出血です。手技が終了後に、止血されたと思っていたのが、数時間後に突然の出血をきたします。そのときに、後腹膜に出血されると大きな合併症になります。

感染や、後出血の頻度は少ないですが、必ず起きます。その合併症がいやで、当院ではすべて手による止血としていました。止血デバイスは使用禁止にしていました。

エクソシールが止血デバイスというよりは、止血補助デバイスという形で手の止血の補助剤となっている感じが良いです。あとは、止血後の傷が膨らむこともなく、傷が大変きれいです。

カテーテルインターベンションなどの、低侵襲的な治療で、治療の閾値が低い治療の原則(一泊二日で帰れるような治療)は、合併症を絶対に防ぐことだと思います。治療自体の成功率は限りなく100%に近いのに、合併症により、さらに重篤な状態にしたでは、論外です。

ということで、カテーテルインターベンションでは、止血デバイスは使わないというのが、当院の方針です。エクソシールの経験でどうかわるか考えていきたいと思います。

ただし、通常は当院ではTRIですので、使うケースは一日2−3例くらいしかありません。

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