落合先生の話で面白かったのが、CTOの治療に対するTRIの問題点を上げていました。当然ながら、血管の蛇行などを考えると、TRIの方がガイドカテーテルなど含めた曲がりが当然強くなりますから、ワイヤーがwhippleしやすくなって、ワイヤーの操作が難しくなります。GAIAこそ、TRIに向くかもしれませんね。当院では、CTOは、基本は足から8Frで入ります。それは、すべてのデバイスやIVUSガイド含めた治療が可能なこと、ワイヤーの操作性がいいこと、合併症への対応など、完璧を期待すためにそうしています。多くはそこまでしなくても、治療が可能ですが、ときとして必要になることがあります。ときには、TRIでやることもありますが、そのときは、アンテ側から簡単に通過できそうな病変のときにはそうしています。また、落合先生の指摘で面白かったことが他に2つあります。TRIは、ワイヤー操作がwhippleが起きることが多いので、TRIが好きな先生は、基本滑りの良いワイヤーを使っているということです。そして、僕も感じていたのですが、TRI世代は、ワイヤーを回す先生が多いような気がします。あと、もう一つ CTOを治療をするのに、橈骨動脈の穴の大きさにこだわっていることが意味がわからないと言っていました。(笑いました。)
基本スレンダーという概念はとても、大切だと思っています。それによりデバイスが進化します。また、デバイスを進化することは、時に危険であるということが今回の落合先生の話の中にありました。内腔が広がってよいガイドカテーテルができたということで、Zuma 2からLancherに変更して使ってみるとガイドによる冠動脈乖離が起きやすくなったという話です。Lancherというガイドがいかに危険か?ということを分析していました。内腔を確保するために薄くなって、ガイドの先端が鋭利になっていたという結論です。このことから、良くするために作ったものが、予測もできない合併症を起こすことがあるということを学ばさせてもらいました。
当院は、多分多くの病変がTRIですので、日本で一番多くTRIをやっている施設の一つだと思います。そして、6frのテルモの碇先生のカテーテルを年間1500例以上使っています。このカテーテルを使ってガイドの合併症はゼロに近いので、安心しています。また、TRIになって合併症の起きないPCIが確立したと思っています。ここから、サイズダウンすることは、またいろんなリスクの検証が必要です。そのリスクをここまで確立された手技からスレンダーにすることによるリスクを患者さんに負わせるわけにはいけないと個人的に思っています。ただ、日本のスレンダーの先生方が頑張って安全を証明してくれることが期待しています。
そして、橈骨動脈の閉塞率についても、それなら診断カテーテルを廃止して全部CTAで評価するほうに力をいれるほうが改善度合いが高いのではと思っていますので、当院はそちらに力をいれています。当然カテーテルより less invasiveですしね。
あと、IVUSガイドCTOPCIをしっかりできる先生は、世の中には意外と少ないのかもしれないと思いました。それは、落合先生は、デバイス交換のトラッピングができないので、6frを否定する感じがありました。僕はトラッピングよりもIVUSガイドPCIが、CTOの最後の砦だと思っています。これができない先生なら6frでも十分かもしれません。
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