札幌ハートセンター

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Dr Fujita's blog. Enjoy it

2013年3月20日水曜日

一に患者、2に職員

これは、いつも僕がいっている言葉です。優先順位は、患者さんが一番、そのあとが職員、そのあとは、病院や、自分のことになります。

昨日は、他の病院からの紹介の患者さんで、胸痛が続いている高齢者の患者さんがいて、結論は、急性心筋梗塞でした。それも、TVDのLMT90%のLAD#7での閉塞です。ちょっとのことで、なくなることがあるとてつもなく、重症な病気です。

手紙を持って受付にきて、紹介状と一緒に問診票を書いてもらってカルテを外来に流して、その後に僕の外来の順番どうりにまわってきました。

外来に呼び込むこむと、苦しがっており、すぐに重篤な病気とわかる状態です。すぐにエコーをやって、緊急カテーテルでなんとか、救命をできました。

この対応で、問題が複数あります。

受付で紹介状をみて、そこには、病名がAMIと書かれていました。問診票を渡すときに、症状がある人は、すぐにこちらに呼ぶようにといっているのに、それがされていなかった。

問診票をみた、クラークが胸痛をうったえているのに、待たせて歩かせて診察室にいれた。

一番の問題は、そのような重大な見逃しがあったにも、かかわらず、どのクラークがみたか?わからない?そして、重大なことをしたという、危機感がまったくない。

開業して、5年目になります。以前は、受付も、外来のクラークも、看護婦さんも少なく大変でしたが、僕のかわりに、そのような状況を把握してくれて、そのようなことは起きにくかったと思っています。

業務拡大にあたり、人を沢山いれると、人が増えた分だけ、ミスが増える。それが目立ちます。もっと、患者さんと接する人は、しっかり責任をもってもらいたいです。

そのために、いつもどんな些細な上申も、受けているのは、いざというときに、上申されないと困るためなのです。

組織が大きくなると、このような人が増えたことによりネガティブな別な問題が出てきます。それをいい方向にもっていくためには、一人づつの意識も向上させないといけません。
組織として、チームとしてのスキルをあげると同時に、当たり前ですが、個人のスキルを上げてもらう方向にしていきます。

面接のときには、全員に僕は面接をします。それは、このようなことに耐えれる人かどうかを確認しています。

10 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私は医療系には全くの素人です。
>外来に呼び込むこむと、苦しがっており、すぐに重篤な病気とわかる状態です。すぐにエコーをやって、緊急カテーテルでなんとか、救命をできました。

このような緊急を要する患者さんを、なぜ最初の病院の医師は、患者さんに紹介状を持たせて通常外来経由でSCVCを受診させる方法ととったのでしょうか?

>受付で紹介状をみて、そこには、病名がAMIと書かれていました。

AMIと診断がついているなら、救急車でSCVCに搬送すれば、急患としてすぐに診察してもらえたと思います。最初に受診した医師の判断ミスもあるのでは?と感じますが、どうでしょうか?

rotaman さんのコメント...

匿名さん、ご指摘どうりです。開業医の先生というのは、本当にAMIかどうか判断に迷ったときに、救急車まで使って送迎をするというケースは難しいと思っています。
ですから、当院ではうちから救急車で迎えにいくシステムを作っています。
当院の札幌ハートセンターとしての対応として、不十分であることは事実ですし、それを他の要因にしてはいけないと思っています。どんな紹介のされ方をしても、機敏に動けるようにしないとスキルアップできません。

でも、ご指摘のとうりですが、それがいまの現実だと思ってください。

匿名 さんのコメント...

いつもブログを拝見させていただいています。先生の言う「一に患者、二に職員」色々考えさせられます。患者さんに一番ベストな状況で医療を提供するには職員もベストな状態でないとできません。

そのAMIの患者さんと初めに関わったクラークさん、何か理由があってその場で先生に報告するタイミングを逃してしまったのでは…あまりにも先生が忙しそうで声がかけられなった。クラークさんの仕事内容が手一杯など…重大なミスを犯したということは関わった人はきっとわかっていると思います。

人が増えたからミスが増えたと先生に言われてしまうと、悔しい気持ちもあると思いますがモチベーションも下がってしまいます。
今後はそのようなことがなく患者さんに適切な医療が提供できるような環境のなってくれることを願います。

rotaman さんのコメント...

匿名さん、ご指摘ありがとうございます。

その通りかもしれません。人が増える分だけ、ミスが増えます。これは事実です。ですから、それをなくすように皆で努力しないといけません。重大なミスを犯したという意識があり、それを今後どういかしてくれるか?それを僕は期待します。僕にミスが増えたといって、モチベーションがさがるような職員は雇った覚えはなく、皆がんばってもらいたいと思っています。事実本日は、何事もなかったかのように通常どうりに診察を皆しています。

患者さんの命を預かったいる現場にいるという意識をもって、皆でがんばっていきたいと思っています。

匿名 さんのコメント...

1.病名がAMIと書かれていました。

2.問診票をみた、クラークが胸痛をうったえているのに、待たせて歩かせて診察室にいれた。

3.そのような重大な見逃しがあったにも、かかわらず、どのクラークがみたか?わからない?

4.そして、重大なことをしたという、危機感がまったくない。

これは忙しいとかで擁護できるレベルじゃないですね。働いている人の資質の問題じゃないですか?とくに4番なんて医療関係者にとって禁句です。

言葉が悪いですが、患者にとってはサイコパスが働いてるように思えてしまうほど恐怖を感じますよ。

rotaman さんのコメント...

手厳しいお言葉ですね。コメントありがとうございます。

面接時に、サイコパスは除外されていますので、それは大丈夫です。あとは、新しClarkが今回のことで、しっかりスキルアップしてくれることを期待しています。

当院は、一に患者です。冷淡な職員は、不要です。

匿名 さんのコメント...

来院時に受付さんが患者さんに
「胸は苦しいですか?」と
訊いてみるようにしてはいかがでしょうか。

看護師さんも同様です。


Suda

rotaman さんのコメント...

匿名さんご指摘ありがとうございます。

すでに、それは決まりでやっていることになっていますが、それが守られていなかったのです。

伝法 さんのコメント...

僕も胸痛で受診しました。放射線科・検査室・NSは、しつこいくらいに(失礼ですが・・・)胸は苦しくないですか?苦しかったらすぐに言ってくださいねと声かけが頻繁にあったのはすっごく印象深く思っています。皆さんの記事を読んでいると、初回の問診の時、事務・クラークからは胸痛について何も聞かれなかったのかな?って思いだしてみましたがやはり記憶にはないんですよね。もし本当に聞かれてたのなら大変失礼なのですが、放射線・検査・Nsの声かけのイメージが強かったからなのかわかりません。でも、問診で共通の事で覚えてるのは2回目で、胸痛でニトロ使いましたか?とかだけなんです。 記憶力の問題なのか自信がありませんが、結構患者さんは我慢する人が多いです。それをうまく引き出すかはクラーク・事務の観察力・声かけ(患者さんとのコミュニケーション)なんでしょうね。でもSCVCの皆さんは他の病院から比べて優秀だと思います。今回の事をきっかけとしてさらなるレベルアップをして(してくれると思います)良い病院を作っていってほしいと思います。あとは、送り手(紹介元)のDrやスタッフが救急車や送迎車を上手く利用すべきなんだと、さらに手紙の前に電話などで相談できていれば今回のケースは防げたんでしょうね(生意気言って申し訳ございません)

rotaman さんのコメント...

伝法さんありがとう。

声掛けの印象が弱いということが、わかりました。

ありがとうございます。