札幌ハートセンター

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Dr Fujita's blog. Enjoy it

2013年8月15日木曜日

LITA to LADについて、学んだこと。

LITAの最高にいい口径の場所を最高にいい動脈硬化のないLADに、直線的に吻合することができれば、理論上。一生持ちます。
これには、局所療法のPCIが叶うわけがありません。

一生もつものがどうして持たないことがあるのか?
LITA LADが閉塞するのは、LITA側の問題とすれば、剥離が不十分のために、LITAの長さがとれず、十分な口径の場所を吻合できないときや、剥離のミスによるLITAへの解離や、LITAを直線的に吻合できないために、肺による圧迫をうけるなどの問題があると思います。

LAD側に関しては、動脈硬化病変のすくない健常部に吻合できれば、一生もつわけです。逆に吻合部に動脈硬化があれば、そこになんらかの局所的な処置すなわち、onlayなどが加われば、局所治療のPCIを同じ、再発、病気の進行に対するバイパスの閉塞のリスクを負うことになります。これが、閉塞のリスクになると思います。

繰り返します。

LITAを十分な口径で直線的に、LADの健常部に最高のクオリティで吻合すれば、一生持ちます。

また、最近すたれた気味のMIDCABは、LAD OSの病変の患者さんに良い適応があります。それは、LADのmidの吻合部には病気がすくないので、LITAとのいい吻合部があるからです。ただし、吻合部はよいとしても、LITAの剥離が不十分であったり、心膜の切開が不十分であると、LITAが胸骨切開時の真っ直ぐにバイパスが吻合される状況と対照的に、吻合部手前に屈曲が生じます。それのみならず、剥離が不十分であるとLITAを十分に引っ張れないので、十分な口径のLITAが吻合部まで足りないということが起きます。

そのために、下腹壁動脈などのコンポジットがありますが、LITAを十分な口径でよい場所のLADに最高のクオリティの吻合でつなげるITAバイパスの最大のメリットがなくなってしまいます。

MIDCABは、ラーニングカーブがながく、最低でも100例以上経験しないと、安定した成績がだせないそうです。

PCIは、究極の局所療法です。その対局にあるバイパスについて、十分に知る必要があります。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

LITAのmid
にfocalな狭窄90%の患者様がいます。
LADは閉塞しています。
ステントいれるべきでしょうか?
ちなみに症状はありません
不可心筋シンチは陽性です
石川の織田です