今日も救急車で来られた方で、以前当院でかかっていて、いまは他の病院に冠動脈疾患でかかっていて、内服加療をしている患者さんが、そこの病院で断れてて、胸痛で救急車で当院に入院をしています。
かかりつけの病院に満床という理由で断られたそうです。この患者さんは、もともと冠動脈CTAで50%の狭窄が複数病変あり、バイアスピリンおよびLDL低下をしていました。その後遠方ということで、近くの病院にかかっています。その後は、冠動脈病変のCTでの評価はせずに、運動負荷、シンチなどをして、カテーテル治療をするほどではないので、大丈夫といわれています。そして、問題はバイアスピリンが不要ということで止められていました。冠動脈病変の進展の予防には、スタチンが効果的です。バイアスピリンはプラークラプチャーを予防して、心筋梗塞を海外では一次予防として認められているとても、いい薬です。スタチンもプラークの安定化はありますが、バイアスピリンの強い心筋梗塞予防には、かなわないと思います。
冠動脈病変の進行により虚血が生じて、PCIにならなければ、内服で経過をみるのですが、問題が虚血がでるまで安全か?ということです。
僕は否と思っています。心筋梗塞の予防には最低でも飲める方にはバイアスピリンを投与が必要ですし、CTなどでの動脈硬化の進展の度合いを把握して、LDLの管理をすべきと思っています。
そして、主治医としてバイアスピリンが不要という判断をして、経過をみたら、胸痛が起きたときは、責任をもって診察をする義務があると思います。満床だから、断るというのは、いかがなものでしょうか?そして、もしそれが自分がバイアスピリンを止めたことによるものであったら、どう責任をとるのでしょうか?
僕は、他の先生がした治療方法に関しては、その責任はその先生にあるので、命に問題にならない限りは、口出ししません。逆に患者さんに内服など含めて検査、治療をした場合には、その一切の責任は主治医にあると思っています。とくに循環器でPCIをするのであれば、絶対です。PCIした患者さんのそのあとのフォローができなければ、PCIはすべきではないと思っているくらいです。
医療は、患者さんの命を預かっているので、仕事として割り切れない部分があるのは事実ですし、聖職だとも思っています。そしてサービス業として24時間体制ではなく、患者さんの命や、不安のための24時間対応は必須だと僕は思います。
2 件のコメント:
病気に休暇はないから、緊急時かかりつけの医療機関に断られたら、命がいくつあっても足りませんね。
バイアスピリンはカテーテル治療後、自分でも飲んでいますが、改めてとても重要な薬なのですね。
日に1度だけなので、最初はきちんと飲んでいてもあわただしく出歩いていると、つい飲み忘れている事が多々あります。
症状が出て飲み忘れを思い出したりしますので、注意したいと思います。
循環器の場合は24時間体制ができないところは、気軽に命をまかせてくれとはいえないので、責任を問われる治療はあまりできないですよね。
薬で様子みて、悪くなったら病気が悪いといえますからね。
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