血行動態を安定させる治療機器ですが、IABPによる合併症としては、腹部の血管の閉塞、エンボリなどがあり、一度合併症を起こすと、致死的になるので、待機的なPCIをするときでも、LMTだろうが、心機能が低下していても、IABPなしで、当院は治療します。血行動態が破綻をきたすだろうストリーはきまっているので、そこまでならないようにするもしくは、そこまで簡単になりそうであれば、IABPをいれてPCIをするリスクを患者さんに強く説明する(そうするとバイパスになるかもしれませんが。)そのような思考過程で、PCIを当院では行なっていますので、3年のあいだで、待機的症例でのIABPの使用は1-2例もないと思います。
IABPを使用しないで、PCIができる手技が大切です。そのためには、この患者さんが血圧がさがらないようにしっかり管理をしなければ、いけませんし、血圧がさがっても悪循環に陥らないような治療法をとらないといけません。
そのような観点から、PCI直後は治療した血管の支配領域の心機能は一時的に落ちることを理解しないといけませんし、slow flowなどの早期の対応、血圧の管理(昇圧剤に対する血圧の反応なども重要です。昇圧剤をいれても、血圧があがりにくくなったら危険サインです)胸痛などの症状を治療中にしっかり管理しないと、結局IABPをいれるPCIになってしまいます。
IABPいれて、治療したらこのような配慮はまったくしなくても安全に治療ができますが、IABPで一度合併症をおこすと、致死的になるので、僕はIABPはきらいです。
同様な理由で、バイパスもオフポンプならPCIよりすこし高いリスクと思いますが、ポンプを回すのは、ある確率で死亡することがコントロールできないので、命がけの治療と思っています。
という思考過程が重要ですし、我々の治療は10年20年先を考えた治療を提供していかなければ、いけないという考え方も大切です。
鹿屋の新井先生のブログを拝見して、考えが同じなので、びっくりしました。さすが、百戦錬磨で、視点がするどです。
0 件のコメント:
コメントを投稿