札幌ハートセンター

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Dr Fujita's blog. Enjoy it

2014年1月2日木曜日

僕がLITA→LADが最強のIHDの治療だと思っている理由

PCIが2000件を超えました。多くのかたが、すべての病気をPCIで治療していると思っている方がほとんどです。現実は、当院ではバイパスの適応患者は、強くバイパス薦めて受けてもらっています。90%以上の確率で患者さんから承諾を得ています。
どうしてそんなにバイパスを薦めるのか、それはエビデンスもありますが、僕は、10年、20年後の患者さんのことを考えた治療を提供していきたいと思っています。エビデンスには、長期といっても、5年、10年ですから、参考程度にします。
僕が本当の長期予後を考えたときに、LITA→LADがどうしてそんなにいいのか?それは、一生持てば、患者さんのためになるからです。

そして僕の実経験があります。

父がバイパスを受けています。
昭和62年に心筋梗塞になり、旭川で治療をうけていますが、当時は、カテーテル治療なんてありませんでした。安静にして、血圧を管理して一ヶ月の入院です。
その後札幌に来てから、カテーテルを受けてもらいました。カテーテル検査は、その後僕の恩師になる舟山先生に、国立病院でしてもらいました。結果、LAD、RCACTOの病変のために、当時できたばかりの大野病院の大野先生に直接お願いしにいって、手術をしてもらいました。当時は、まだOPCABもなく、人工心肺下でのバイパスです。大野先生のスキルのおかげで、LITA→LADは25年以上持ちました。RCAへのSVGは、9年前に閉塞して、SESがでたときに、RCAのCTOを自分で治療をして、SESをいれました。途中で一度ISR来ましたが、最後まで持ちました。

途中で、胸痛などがあり、LITA経由でのLADへのステント植え込みなどがありましたが、最後の5年間は、腎機能も悪いために、造影ができない状態でした。しかし、LITA→LADは持つという確信のもとに、とても管理は楽でした。

現在MRIによる心虚血評価ができるようになって、その意味で本当によかったと思っています。

LITA→LADというバイパスがなければ、父は、冠動脈CTAや、PCIをなんども、受けなくてはならず、糖尿病もあったために、造影剤腎症から腎不全になって透析をしていたかもしれません。

LITA→LADがあったおかげで、心臓からの予防を引き起こすことなく、寿命をまっとうできたと確信しています。

一生もつLITAがLADにつながっていれば、心臓はトラブらない。これが、僕の確信です。

そして、バイパスすれば一生持つ人は少ないです。なんらかのPCIが必要になることもあります。そこも、見越したバイパスを提供すべきと思っていますし、それを予防するために内服、運動療法や、早期発見のために冠動脈CTA、MRIの定期的な検査が必須だと思っています。

これからも、必要な人はどんどんバイパスを薦めていきます。

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